東京都における心と情報のバリアフリーの取組
都は、東京2020大会に向けて、「多様性と調和」の理念のもと、障害の有無に関わらず、互いに尊重し合える「共生社会の実現」を目指して、心と情報のバリアフリーの推進に取り組んできました。本日はみなさんに、都の「心と情報のバリアフリー」の取組についてご紹介します。
「心のバリアフリー」の取組
「心のバリアフリー」とは、人々の意識の中に偏見や思い込みがあることで作り出される、社会や環境のバリアをなくすため、1人ひとりが意識を変え、まちなかなど様々な場面で、必要な行動を考え、実践し続けることです。
「心のバリアフリー」を実践するための、3つのステップがあります。1つ目は、障害があることがバリアなのではなく、社会や環境の方にバリアがあるという視点を持って、そのバリアを理解することです。2つ目は、バリアによって困っている人に対して、どんなサポートが必要か、コミュニケーションを取ることです。3つ目は、その人が望んでいる行動ができるよう、バリアの解消に向けてサポ―トをすることです。
都は、子供たちに「心のバリアフリー」について考えてもらうため、小学生・中学生を対象に、ポスターコンクールを行っています。今年は、「共感から生まれる支えあい」をテーマに、募集をしました。夏休みの課題として参加する子供たちが多く、9月に集まってくるポスターを見るのが毎年の楽しみです。
また、企業を通じて「心のバリアフリー」を推進するため、従業員への普及啓発や、行政の取組に協力する企業を「心のバリアフリーサポート企業」として、毎年募集し、登録しています。特に優れた取組については、好事例企業として公表し、取組の後押しをしています。
東京2020パラリンピックをきっかけに、「心のバリアフリー」がさらに多くの人々に広がることを願っています。
「情報のバリアフリー」の取組
次に、「情報のバリアフリー」の取組についてご紹介します。
おでかけのときに、段差やトイレなどの情報がなくて困ったことはありませんか。車椅子で移動される方にとって、段差のないルートやエレベーター、車椅子で利用できるトイレの情報は重要です。また、乳幼児を連れての外出では、おむつ替えができるスペースがどこにあるのかということは事前に知っておきたいですよね。
そんな時、役に立つポータルサイトを都が開設していますのでご紹介します。「とうきょうユニバーサルデザインナビ」です。略して、UDナビと言います。
それぞれの施設のホームページに載っている都内の施設や交通機関についてのバリアフリーの情報をまとめて探すことができます。例えば、おでかけの時に場所や場面を選ぶことにより、おでかけ先の情報を調べることができます。また、条件にあわせて、「多目的トイレと車いす対応エレベーターのある百貨店をさがす。」こともできます。
東京2020大会の開催に際しては、都内競技会場を一覧で見ていただけるよう特設ページを開設しました。
都は、大会開催に向けて、「ラストマイル」のバリアフリー整備を重点的に進めてきました。会場ごとのページには、「実施競技」「最寄り駅」のほか、最寄り駅からの「ラストマイル」についての情報を掲載しました。
「ラストマイル」は、ジャパンウォークガイドへのリンクとなっており、会場までの経路の道幅や段差の状況などを写真付きで確認することができます。(現在、特設ページの公開は終了しています)
ぜひ、UDナビを使ってみてください。
都は、これからも、ハード・ソフト両面からユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを進めていきます。
※このブリーフィングは、2021年9月3日に実施されました。
参考
心のバリアフリー
- 「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック(東京都福祉保健局ホームページ)
- 「『心のバリアフリー』普及啓発ポスターコンクール」過去の入賞作品(東京都福祉保健局ホームページ)
- 東京都「心のバリアフリー」サポート企業を募集します(東京都福祉保健局ホームページ)
- 「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック(東京都福祉保健局ホームページ)